出世したくない若者の心理って?昇進しないと伴うリスクにも注目!

昔は「出世を目指すのが当然」という風潮がありましたが、現在はむしろ「出世したくない」と考える人が多いです。職場の士気が上がらなくて困っている上司の皆さんへ、出世したくない若者の気持ちをご紹介します。

出世したくない症候群が増えている!

職場にいる比較的若い社員に対して「出世したいと思っている?」という質問をしてみてください。おそらく、ほとんどの若者が首を横に振るでしょう。

「出世したくない」と思っている若者が、じつは非常に多いのです。どうして、そんなに欲がないのでしょうか。出世したくない若者が抱えている事情をお伝えしましょう。

出世したくない若者が増加!どうして?

どうして出世欲のない若者が増加しているのでしょうか。多くの人が「出世したくない」と思う背景には、いろんな事情があるのです。まずは、それらについてお話ししましょう。

出世すると責任ばかりが増える

まず、出世するということは、人の上に立つ機会が増えるということです。それにともなって、責任も増えます。自分のこと以外にも目を配り、フォローしていかなければならないのです。

後輩や部下がミスをした時には、それが自分の責任となることも多いです。「上に立つことによって、自分のことだけを考えられなくなった」と話す上司も多いため、若者はそれを恐れているのです。

出世することで給料が上がるのであれば、それは喜ばしいことです。しかし、それと比例して負う責任も負えてしまうのは嫌だ、という思いのほうが強いのです。

給与体系の落とし穴を見抜いている

出世をして役職がつくと、役職手当で給料がアップします。しかし、出世したことによって残業代が支払われなくなる企業もかなり多いのです。そうすると、結局は働き損になってしまう恐れがあります。

残業代が支払われないのは、かなり多くの会社・企業が取り入れており、法律上は黒に近いグレーゾーンです。出世することを拒む若者たちは、既にこの給与体系の落とし穴を見抜いているのです。

ある程度スキルアップして企業にとって重要な人材になったら、他社からヘッドハンティングされることもあります。その際には一般的に今の給与よりも高い金額を提示されるので、転職する方が本人にとってもメリットがあるのです。

1つの会社に長くいて出世するよりも、引き抜きなどを上手く利用して好きな仕事を続けていったほうが、効率よく稼げてストレスもたまらないのでしょう。昔は終身雇用が一般的でしたが、今はそうではないですものね。

出世するメリットが見当たらない

多くの女性が口をそろえて言うのが「出世するメリットが見当たらない」ということです。女性が出世しても、同じ役職の男性よりも給料が低いなど、不利な仕打ちを受けることが未だにあります。

また、出世することによって責任を伴う仕事が増え、産休や育休すらも取得しにくくなってしまう恐れがあります。公務員などにおいては、出世してしまうと結婚退職をするときに恨まれやすくなるというデメリットもあるのだそうです。

何か出世するメリットがないと、しても損になってしまいますよね。デメリットばかりが浮かんでくるため、若い女性たちは「出世したくない」と口をそろえて言うのでしょう。

出世したくない症候群の心理とは?

「出世したくない」と頑なに拒む「出世したくない症候群」は、多くの若者に見られる現象です。こう訴える背景には、どのような心理が隠されているのでしょうか。

出世したい心理になれない

「出世したい」という人たちは、その仕事にやりがいを持っている人が多いです。そして、上に立って後輩たちの面倒を見たいという思いが強い傾向にあります。

さらに、出世すると役職手当や役員報酬などが給与に上乗せされます。支払われる給料が仕事のやり甲斐だと感じている人にとっては、やはり出世は魅力的です。

社会的地位が上がると、さまざまな面において信用を得ることが容易くなります。クレジットカードの審査にも通りやすいですし、ローンも組みやすいです。さらに、リストラの対象にもなりにくいです。

しかし、これらのメリットがあるとしても、若者たちは「そんなメリットは必要ない」と感じてしまうのです。出世したいという心理にならない以上は、出世を目指そうとしないでしょう。

出世で人間関係が崩れるのを恐れている

出世すると、少なからず人間関係は変化します。同期で最初に出世した人は一目置かれますが、同時に誰かから恨まれる可能性も否めません。

それまで仲良くしていた同期のメンバーが、自分から離れていってしまうことも考えられます。そうした人間関係のこじれを恐れているため「出世したくない」と主張する若者も多いです。

管理職になりたくない

出世するということは、多くの場合が「管理職になること」を意味しています。管理職とは、自分の部下や後輩を取りまとめ、責任をもつということです。

管理職願望がない人にとっては、出世など鬱陶しいだけです。「自分以外のことまで責任をもつなんて、やってられないよ」と考える若者が多いのでしょう。

リーダーシップをとるのが苦手

出世すると、人の上に立つ機会が多くなります。そうした時に重要になるのがリーダーシップです。このリーダーシップを取るという行為を得意とする人もいれば、そうでない人もいるのです。

リーダーシップをとるのが得意ではないという若者も多いため、そういった人たちは出世したくないのです。出世をして苦手なことをするくらいなら現状キープで良いという考えでしょう。

転勤したくない

出世をして上のポジションにつくと転勤が増えるという会社もあります。家族を持つ人や地元に愛着がある人は、転勤が伴う仕事を好みません。そのため、出世したくないと主張するのです。

プライベートを重視する

「ワークライフバランス」という言葉を耳にしたことはありますでしょうか?「仕事と生活の調和」と訳され、仕事上の責任感を果たすとともに、家庭や交友関係なども重要だとする生き方です。

出世してしまうと、このワークライフバランスが保てなくなる恐れがあります。残業や出張が増え、プライベートにかける時間がなくなってしまうのです。

今は、プライベートを重視している若者が多いです。そのため、出世せずに今のまま良好な環境を保っておきたいと考えるのでしょう。これは無理もありませんね。

昇進しない場合に生じる3つのリスク

出世しないという選択肢を選ぶことは出来ます。しかし、昇進しないことによって生じるリスクが存在するのも事実です。最後に、3つのリスクについてお話ししましょう。

リストラの対象になる

企業の業績が悪化した時、真っ先にリストラ対象となるのは平社員です。会社において重要なポジションにいる人たちは守られて、平社員は容赦なく切り捨てられてしまいます。

もしもの時、救われるのは出世していた社員たちです。出世して肩書がついていた人たちは、仮にリストラされても同業者が引っ張ってくれる場合があります。しかし、平社員では確率が極めて低いです。

そういった事態になっても「出世しなかったから仕方がない」と諦めるしかないのです。出世せずに平社員のままでいると、このように自分にとって不利な状況を生むこともありますよ。

実務が続いて体力的に大変になる

出世しないということは、いくつになっても実務ばかりに従事するということになります。若いうちは「私は現場が好きだから」「私は実務のほうが向いている」と考えるでしょう。

しかし、いざ歳をとっていくと、実務に従事することが凄くきつくなります。そう感じた時には、もう既に出世の道は閉ざされており、後の祭りです。「あの時に出世しておけばよかった」と思っても、もう遅いのです。

経験値が上がらない

「出世したくない」と、出世レースから早々と降りてしまい、実務ばかりをこなすのも自由です。しかし、ずっと同じことばかりこなしていても経験値は上がりません。

ある程度レベルが上ったら、次のステップに進んだほうが自分のためになるかもしれません。今の仕事が好きで、より経験を積みたいのであれば、昇進を目指すことも視野に入れておきましょう。

「出世したくない」には理由がある!

若者たちは、遠慮して「出世したくない」と言っている訳ではありません。そこには、プライベートを重視する思いや、給与体系に対する不満が隠されているのです。

これらの諸問題を会社・上司が解決してあげることで、若者たちが出世に対して積極的になるかもしれません。この問題に対しては、出来れば日本全体で取り組んでほしいものですね。